アジア港混雑でスエズ回帰加速、欧州航路運賃が下落に転じる
アジアの港湾混雑を受け船社がスエズ運河経由に回帰、欧州航路のスポット運賃が下落しつつある。
アジアの港湾混雑を受け、船社がスエズ運河経由の航行を再開しつつあることを背景に、アジア・欧州航路のコンテナ運賃が下落傾向を示している。イタリアのコンテナ物流大手ソジェーゼが発表した9月の欧州コンテナ市場報告書で明らかになった。
ドリューの世界コンテナ指数によると、9月3日時点の上海・ジェノバ航路の運賃は40フィートコンテナ当たり4368ドルで、前週比10%下落した。上海・ロッテルダム航路も同4092ドルと5%低下している。アジア・欧州航路の欠航は来週、4件から1件に減少する見通しで、船社が船腹を市場に戻し始めた初期の兆候とみられる。
同報告書は、コンテナ市場が航路ごとに細分化しつつあり、船社がそれに応じて船腹配分を調整していると指摘する。ソジェーゼの最高経営責任者アンドレア・モンティ氏は「運賃、貨物需要、利用可能な船腹が主要航路ごとに異なる動きを見せている。アジア・欧州航路の運賃は年央の高値から軟化し始めた一方、太平洋航路は堅調を維持しており、船社はネットワーク全体で一律に船腹を管理するのではなく、個別のサービスや配船を調整している」と述べた。
モンティ氏はさらに「スエズ運河経由への選択的な回帰は新たな変数を加える。航行距離の短縮は、新造船が市場に入らなくてもアジア・欧州航路の実質的な船腹を増加させ得る。荷主にとって、これは世界の船腹総量が特定の航路や港で利用可能な船腹の信頼できる指標ではなくなったことを意味する」と説明する。
「コンテナ市場は行動様式が世界的ではなくなりつつある。貨物需要、運賃、利用可能な船腹が航路ごとに異なる方向へ動いており、市場の次の局面は世界の需給ではなく、船腹と貨物が実際にどこに配備されるかによって形作られるだろう」とモンティ氏は付け加えた。
報告書は、主要航路の乖離が船社のネットワーク決定に直接表れ始めていると指摘する。船社は世界的なネットワーク全体で大幅な船腹調整をするのではなく、貨物需要が持ちこたえている地域と運賃市場が軟化し始めた地域に応じて、個別のサービス、寄港順序、配船を調整している。最近のサービス変更は、船社がネットワーク全体ではなくサービス単位で船腹を再配分している状況を示している。
ソジェーゼはイタリアを代表するコンテナ物流企業で、今回の報告書は欧州のコンテナ市場動向をまとめた月次レポートとなる。アジアの港湾混雑に端を発したスエズ回帰の動きが続くかどうかが、今後の欧州航路運賃の行方を左右しそうだ。