2026-07-30 グローバル物流動向ブリーフ
東アジアでスーパー台風リスクが高まる中、北米西岸シャトル便が拡大し、中東発の海上安全保障危機も深刻化している。

グローバル物流市場は異常気象と地政学的リスクに同時にさらされ、変動性が拡大している。東アジアではスーパー台風による港湾機能マヒの懸念が浮上する一方、中東ではホルムズ海峡の緊張が高まり、エネルギー輸送網の混乱が現実味を帯びている。
東アジア: マースク、北米西岸シャトルサービスを強化 マースクは、アジアと北米西岸を直接結ぶ拡張版シャトルサービスを開始すると発表した。同航路は従来より寄港地を増やし、投入船腹量も拡大する。これにより東アジア発北米向け貨物のリードタイム短縮に寄与する見通しだ。特に釜山や上海など主要港湾の混雑緩和にプラスの影響を与えるとの分析が出ている。(Container News)
東アジア: スーパー台風、台湾・中国の港湾マヒの懸念 新たなスーパー台風の発生により、台湾および中国東部沿岸の港湾運営が大幅な支障をきたす恐れが出ている。最新の気象予報によると、強風と集中豪雨を伴う台風の進路上に主要コンテナハブが位置しており、貨物の入出港遅延や船舶の安全確保が課題となる見通しだ。これを受け、韓国の荷主は当該地域の船積みスケジュール変更に注意を払う必要がある。(Hellenic Shipping)
東南アジア: PIL、インドネシア-タイ間で新規サービス開始 パシフィック・インターナショナル・ラインズ(PIL)は、インドネシアとタイを結ぶ新たな域内アジアサービスを開設した。同サービスは東南アジア域内の連結性強化を狙い、両国間のEコマースおよび製造業関連貨物の円滑な流れを支援する目的で企画された。所要時間の短さと高いスケジュール信頼性を打ち出し、域内フォワーダーの関心を集めるとみられる。(Container News)
中東: ホルムズ海峡、イランの保険詐取行為と船舶攻撃事案が展開 米財務省の外国資産管理局(OFAC)は、ホルムズ海峡を通航する船舶を標的としたイランの違法な「保険料搾取」行為に警告を発し、制裁措置に踏み切った。一方、中東紛争が拡大する中、エジプトのダミエッタ港ではドローン攻撃によりLNG運搬船が深刻な被害を受け、エネルギー輸送路の脆弱性が改めて浮き彫りになった。こうした地政学的リスクは、スエズ運河・紅海航路にとどまらず黒海にまで広がっており、海上安全保障をめぐる新たな秩序構築が求められている。(Seatrade Maritime, Hellenic Shipping)
欧州: MSC、南アジア発欧州向けFAK運賃の引き上げを発表 地中海海運会社(MSC)は、南アジア発欧州向け貨物に対する均一運賃(FAK)の引き上げ計画を公表した。これは足元の需要回復と運航コスト増加を反映した措置で、インドなど南アジアから欧州へ貨物を輸送する荷主のコスト負担が増す見通しだ。運賃引き上げは8月中旬から適用される予定だ。(Container News)
米州: NYKライン、LNG海上輸送で戦略的パートナーシップを締結 日本のNYKラインは、グローバルエネルギー投資会社EIG傘下のミッドオーシャン・エナジー(MidOcean Energy)に投資し、LNGバリューチェーンの拡大と海上輸送分野での戦略的パートナーシップを構築した。今回の提携は、北米LNGプロジェクトの生産量増加に備え、安定した輸送能力を早期に確保する狙いがあるとみられる。今後、米州発LNG輸出量の増加に伴い、NYKの役割はさらに拡大するとの分析だ。(Hellenic Shipping)