中遠海運、紅海航路に2年ぶり復帰
中遠海運が紅海航路に2年ぶりに復帰し、スエズ運河経由の通航再開の兆しが見える。

中国の海運大手、中遠海運(COSCO)は、バブルマンデブ海峡を2年以上ぶりに自社船で通過する。4,738TEU型船「XIN HUI ZHOU」が2026年7月28日から再開する紅海航路「RES4」に投入され、上海、寧波、厦門、南沙、ソフナ、上海を結ぶ。初便は8月19日にソフナに寄港する予定で、2便目となる10月7日以降はジェッダにも寄港を追加する。中遠海運は2026年3月以降、紅海航路で週1便の定期便を「COSCO Red Sea」サービスとして提供してきた。同社にとって、紅海航路への復帰は、中東情勢の緊張で途絶えていたスエズ運河経由の通航再開に向けた動きとして注目される。
RES4は、中遠海運が運航する上海とエジプトのソフナを結ぶサービスで、紅海に面する港湾を経由する。中遠海運は2026年に入り、紅海情勢の安定化に伴い、段階的に航路を見直してきた。今回の復帰により、同社の紅海向け輸送能力は拡大し、アジアと中東・北アフリカ間の貨物需要に応える体制が整う。
中遠海運は、紅海周辺の安全保障状況を継続的に監視し、船員の安全と運航の安定を最優先に判断している。同社は他社に先駆けて紅海航路の再開を決定したことで、競合他社との差別化を図る。今後、他社も追随するかどうかが焦点となる。
紅海航路はスエズ運河と並ぶ国際物流の大動脈であり、アジアと欧州を結ぶ主要ルートの一つ。近年は地政学リスクで迂回を余儀なくされていたが、中遠海運の復帰は、スエズ運河経由の通航が段階的に再開される可能性を示唆している。物流業界では、今後の運航状況が国際海運のコストやリードタイムに与える影響を注視している。
同社は、今後も需要に応じて紅海航路の便数を増やすかどうかを検討する。中遠海運の動きは、海運市場の回復傾向を反映したものとみられ、他社の航路再編成にも影響を与える可能性がある。