パナマ運河制限でアジア発米西岸運賃が9%上昇
アジア発米国向けコンテナ運賃が上昇。パナマ運河の通航制限強化を背景に、米西岸は9%増、欧州向けは下落基調に歯止め。

アジア発米国向けコンテナ運賃が、パナマ運河の通航制限強化への懸念から上昇ペースを速めている。ドリューの世界コンテナ指数によると、上海発ロサンゼルス行きと上海発ニューヨーク行きのスポット運賃は、40フィートコンテナ当たりそれぞれ6802ドルと9507ドルとなり、前週比9%上昇した。上海発ロサンゼルス行きの上昇率は前週の6%から加速しており、上海発ニューヨーク行きも前週の10%からわずかに鈍化したものの、高い伸びを維持している。
ドリューは、太平洋航路は引き続き堅調で、船社は運休や減船により船腹を調整していると指摘する。向こう1週間で発表された運休は7本で、8月のアジア発米東岸向け船腹量は前月比9%減、米西岸向けは0.4%減となった。船腹の逼迫を受けて、来週の運賃は安定する見通しだという。
フレイトスのバルチック指数でも、アジア発米西岸向け運賃は前週比9%増の40フィート当たり7422ドルと、同様の伸びを確認した。一方、米東岸向けは同3%増の9422ドルにとどまり、伸びは鈍化している。
ライナリティカは、パナマ運河管理局(ACP)による通航制限の追加強化が、アジア発米東岸向けスポット運賃を40フィート当たり1万1000ドルに近づける可能性があると予測する。ACPは9月3日からネオパナマックス閘門の1日当たりの通航枠を9回に、パナマックス閘門は25回に減らし、9月15日にはさらに23回に引き下げると発表した。通常の1日平均は34回で、乾季の到来やエルニーニョの影響を踏まえ、長期的な通航の持続可能性を確保するため追加措置が必要と説明している。
ACPはまた、1日ごとの入札制度を見直し、船舶をLNG・LPG船、ドライバルク・一般貨物船、コンテナ船・自動車船・RoRo船・冷蔵船、ケミカル・原油・プロダクトタンカーの4つのグループに分ける。市場構成を反映した公平な割り当てを促進する狙いがある。
欧州航路では、アジア発北欧洲向け運賃の下落ペースに歯止めがかかった模様だ。ドリューによると、上海発ロッテルダム行きの運賃は前週比でほぼ横ばいとなり、需給バランスが改善しつつある。船社は運賃下支えのため、引き続き運休や減船で船腹を調整している。
今回の運賃上昇は、パナマ運河の通航制限が荷主のコスト増につながる可能性を示している。特に米東岸向けは、スエズ運河経由や米西岸経由の代替ルートも限られる中、運賃高止まりが続くとみられる。