米大手小売りの関税還付金、活用方法に差
米主要小売り各社が最高裁が無効としたIEEPA関税の還付金を獲得し、価格引き下げや投資に活用するなど対応が分かれる。

米国の主要な大型小売り各社が、昨年支払った関税の還付金を相次いで受け取っている。還付の対象となったのは、トランプ前大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した関税で、最高裁判所が今年初めに無効と判断したものだ。小売り大手のウォルマートとターゲットは最大級の還付額を報告しており、ホームセンター大手のホーム・デポとロウズも還付を受けたが、その金額や使途には差が出ている。
還付金は米国税関国境警備局が4月に開設した専用システムを通じて支払われている。同システムはCAPEと呼ばれ、8月21日時点で総額1066億ドルの還付金を支払った。対象企業は小売りにとどまらず、アマゾンや任天堂、キャタピラー、キンバリークラークなど多岐にわたる。
ウォルマートは関税還付金のほぼ全額にあたる29億ドルを受け取ったとみられる。最高財務責任者(CFO)のジョン・レイニー氏は第2四半期決算説明会で、還付金を顧客体験の向上と価格競争力の強化に投資していると述べた。特に食品と一般商品への投資を優先しており、第3四半期の業績見通しには価格投資の影響が織り込み済みだと説明した。
ターゲットも申請したIEEPA関税還付金の大部分を確保しており、その額は約10億ドルに上る。CFOのジム・リー氏はこの金額を売上原価の減少として計上したと明らかにしたが、具体的な活用計画については明らかにしなかった。一方、ホーム・デポはこれまでに7億3000万ドル、ロウズは8000万ドルの還付を受けた。
各社の対応には温度差がある。ウォルマートは還付金を消費者向け価格の引き下げに充てると事前に表明しており、ベスト・バイやホールフーズなど他の小売りも同様の方針を示している。ターゲットは還付金を財務改善に活用する見込みだが、具体的な投資先は明らかになっていない。還付金の使途をめぐっては、小売り各社の経営戦略の違いが浮き彫りになっている。