米加貿易戦争激化で北米物流に打撃、農産品調達に懸念
米国とカナダの貿易戦争激化で、関税引き上げが輸送コスト増や物流混乱を招き、北米のサプライチェーンに悪影響が出ている。

米国とカナダの間で貿易戦争が激化し、北米のサプライチェーンに混乱が生じている。複数の業界団体によると、両国間の関税引き上げは荷主と消費者双方のコスト上昇を招く見通しだ。約1カ月に及ぶ交渉の末、両国は先週、米国が7月に発表したカナダ製品200億ドル(約3兆円)に対する50%の関税を回避する合意に至らなかった。
これに対し、カナダは鉄鋼、乳製品、家電、農業機器など幅広い米国製品に最大50%の報復関税を課した。さらに、米国はカナダからの乗用車、トラック、自動車部品、鉄鋼に対する追加関税も辞さない構えを示している。
農業運輸連合会のピーター・フリードマン事務局長は、米国とカナダの農業・林産品貿易は密接に結びついており、両国間の物流は米国とカナダの港を経由し、国境を越えて最も効率的な輸送経路を選んでいると指摘する。しかし、拡大する貿易戦争により、こうした輸送フローは深刻な影響を受けているという。
同会は日々、農産品輸送のコスト増加や遅延、混乱を引き起こす輸送障害の解消に取り組んでいるが、両国による新たな関税や措置で貿易量が減少し、その努力が損なわれていると事務局長は訴える。
米国衣料品・靴協会のスティーブ・ラマー会長は、関税の影響を最初に受けるのは、消費者向けの専門衣料品や靴を供給するために日々協力している米国とカナダの企業だと述べる。カナダは仕立て服やウール製品、スキーウェアなどのアウター、防水靴、靴下、一部の旅行用品の重要な供給源であり、これらの製品は米国・メキシコ・カナダ協定の分類に関係なく、現在さらに高い関税に直面している。
業界団体によると、この貿易紛争は北米の貿易フローに悪影響を及ぼし、特に農業、林産品、ウール衣料、ブリキ鋼板、消費財、食品の調達に打撃を与える。今後、荷主は輸送コストの上昇や物流の混乱に備える必要があり、消費者にも価格転嫁が及ぶ可能性がある。