ラストマイル統制で定時配送95% コスト管理も優位、米調査
米国企業のラストマイル配送網の統制力とデータ活用度の差が、定時配送率やコスト上昇率に大きな格差を生んでいることが調査で明らかになった。

米シカゴに本拠を置く配送ソフトウエア大手ファーアイが実施した調査で、ラストマイルのネットワーク基盤とデータに対する統制力が高い米国企業は、業務上の圧力に強いことが分かった。調査は「アイ・オン・ザ・ラストマイル・アメリカ2026」と題し、全米の配送事業者500社以上から約3000のデータポイントを収集。配送コスト、顧客約束、ネットワーク統制、技術採用、運営モデルの観点で分析した。その結果、ネットワーク統制力が最も高い事業者は定時配送率95%を達成したのに対し、低い事業者は65.5%にとどまった。顧客からの「注文はどこか」という問い合わせ率も、統制力が高い事業者は中央値6.2%だったのに対し、低い事業者は20.8%と3倍以上の差が付いた。配送コストの前年比上昇率も、統制力が高い事業者は8.3%だったが、低い事業者は14.5%に達した。
調査はまた、速度優先の戦略が逆効果となる「スピードペナルティ」の拡大を指摘している。最速配送を優先する事業者の定時配送率は76%で、コスト上昇率の中央値は24%だった。一方、予測可能な配送を優先する事業者は定時配送率88.4%、コスト上昇率10%を記録し、リアルタイムの追跡可視性に注力する事業者は定時配送率90.3%、コスト上昇率はわずか4.9%だった。この結果は、速い配送が自動的に顧客価値を高めるという従来の前提に疑問を投げ掛けるものだ。速度最優先の事業者は、信頼性が低いだけでなく、コスト上昇率も予測可能性重視の2倍以上、可視性重視の約5倍に膨らんでいる。
ラストマイル配送の経済環境は引き続き厳しい。1件当たりの配送コストの前年比上昇率は2026年に中央値12%で、2025年の12%と同水準となった。一時的な高止まりではなく、持続的な上昇圧力であることを示唆している。回答者の60%は10%超の上昇を報告し、20%は20%超の上昇を経験している。88%の事業者がコスト圧力を構造的な課題として認識しており、配送網の統制力強化が経営上の優先課題となっている。ファーアイは、データとネットワークを自社で掌握する事業者ほど、コスト管理とサービス品質の両立が可能になると分析している。