スペイン米大手、自動倉庫導入でアフリカ・中東開拓へ
スペインの米生産大手ヘルバ・ライスミルズが自動倉庫を導入し、アフリカ・中東市場の拡大に対応する。

スペインの米生産大手ヘルバ・ライスミルズ(エブロフーズ傘下)は、アフリカと中東への市場拡大を支援するため、自社工場に自動倉庫を導入した。同社は即席米飯製品の需要増に対応する狙いで、倉庫設備大手メカルクスが設計した自動保管・取出システム(AS/RS)をセビリア州サン・ホセ・デ・ラ・リンコナダ工場に設置した。同工場は調理済み米飯製品を生産し、北米向けに「ミニット」、オランダ向けに「ラシー」、ポルトガル向けに「シガラ」、国内向けに「ブリジャンテ」と「サブロス」の各ブランドを出荷している。
導入されたシステムは、高さ60フィート(約18メートル)超のラックに最大5400パレットを収容できる自動パレットシャトルとスタッカー式クレーンで構成される。これにより、既存需要を管理しながら計画的な市場成長に対応する能力を拡大した。メカルクスとヘルバは、この設備がアフリカ・中東地域での販売増加に伴う出荷量の増加を処理できるとしている。
この動きの背景には、調理済み食品市場全体の成長がある。調査会社コア・マーケット・リサーチによると、2025年から2035年にかけて、調理済み食品の需要は年間平均10%の成長が見込まれる。同社のアナリストは7月の報告書で、「多忙な勤労者層の利便食品需要、持ち帰り食の普及、電子商取引の拡大が成長を牽引している」と分析し、競争激化に対応するためメーカー各社が革新を迫られていると指摘する。
食品・飲料メーカーはこうした市場変化に対応するため、AS/RS技術への投資を進めている。この技術は倉庫スペースの最適化、労働力不足の緩和、出荷の迅速化、生産性向上に加え、市場開拓や製品拡大といった戦略的目標を支える手段として注目されている。今回の欧州での案件は、世界的なAS/RS需要の高まりを示す一例だ。
ヘルバの関係者は、今回の自動化が市場拡大への直接的な対応であると説明する。同工場の新システムは、将来的な需要変動にも柔軟に対応できる設計で、同社の国際展開戦略における基盤設備として機能する見通しだ。