世界の航空貨物需要3.9%増、アジア発北米がけん引
7~8月の世界航空貨物需要が前年比3.9%増となり、アジア発北米路線が成長を牽引した。

国際航空運送協会(IATA)のまとめによると、世界の航空貨物需要は7月と8月に前年同期比で3.9%増加した。一方、輸送能力の伸びは1.7%にとどまり、需給のひっ迫から国際貨物搭載率は約70.5%に達した。伸びが最も顕著だったのはアジア発北米路線で、同比9.2%増と6カ月連続の成長を記録し、2025年に世界の航空貨物取扱量の23.5%を占めた。人工知能(AI)関連の半導体輸送が需要の重要なけん引役となっている。
欧州発着の路線では、欧州とアジアを結ぶ需要が41カ月連続で拡大した。ただし、成長率は鈍化傾向にあり、7月1日に米国の小口貨物の関税免除措置(デミニミス)が終了した影響で、貨物の流れが新たな規制環境に適応している最中にある。一方で欧州と中東、中東とアジア、アフリカとアジアの各路線は急激に縮小しており、路線ごとの明暗が鮮明になっている。
海事分野の混乱も航空貨物の競争力に影響を与えている。海運の運賃上昇により、特にアジアと欧州を結ぶ航路では航空との価格差が縮小しており、アジア発欧州向けコンテナ運賃は前年比で20~40%上昇した。燃料費の高止まりや旅客機の貨物スペース(ベルクスペース)の制約が課題となる一方、通関手続きの厳格化や電子商取引(EC)、持続可能性への対応要求はデータ処理の負担を増大させている。
IATAの欧州・中東・アフリカ地域貨物責任者であるアリナ・フェティソワ氏は、地政学的な課題やデミニミス制度の変更を巡って悲観的な見方が強かった一方で、業界は適応を続けており、アジア発の成長を支えるAIと半導体関連の貨物の重要性を指摘した。不確実性が残る中でも、主要路線では力強い貿易の流れが維持されているという。
需要の伸びが限られた一部の強い貿易路線に依存する傾向が強まっており、業界全体としては輸送能力の制約や複雑化するデータ要求への対応が今後の焦点となっている。