紅海復帰とホルムズ封鎖、コンテナ船市場に二つの影響
バベルマンデブ海峡の通航量が前年同月比2倍に回復する一方、ホルムズ海峡封鎖で中東向けスポット運賃が過去最高を更新した。
中東情勢の緊迫化が、紅海とホルムズ海峡という二つの主要航路に異なる形で影響を及ぼしている。紅海では船舶の復帰が進む一方、ホルムズ海峡はコンテナ船の通航が半年以上にわたり事実上閉鎖されたままだ。
バベルマンデブ海峡を通過する輸送能力は8月、12カ月前と比べて2倍に増えた。ただし、紅海危機前の2023年8月と比べると依然として23%の水準にとどまる。紅海への輸送能力回帰は、コンテナ輸送市場における最大の変動要因となっている。サウジアラビアとフーシ派民兵の衝突激化は、船社が紅海へのサービスを戻す動きを妨げていない。荷主にとっては好材料だが、ネットワークやサービスの変更は不確実性とサプライチェーンリスクをもたらす。船社はリスク評価が異なり、どのサービスや船舶を紅海経由にするか取捨選択する。紅海経由は喜望峰回りに比べ、中国からジェノバ向けの標準的なサービスで11日間の短縮になる。
ホルムズ海峡はコンテナ船にとって半年以上閉鎖されており、ジェッダやホールファッカン港を経由する代替の陸橋が整備された。これにより安定はもたらされたが、コストは荷主が負担している。中国からジェッダおよびホールファッカン向けの平均スポット運賃は、2月28日以降それぞれ256%、479%上昇した。この上昇幅は、新型コロナウイルス禍の混乱時に付けた過去最高値を超えている。
コスト増は輸送時間の長期化と信頼性低下に加わる形だ。ホルムズ海峡がコンテナ船に対して実効的に閉鎖された状態が続く限り、荷主が湾岸地域へ貨物を運ぶ手段は限られる。
市場平均スポット運賃(2026年9月10日時点)は、極東発米国西岸向けがFEU(40フィート)当たり7738ドルとなっている。