UP・ノーフォークサザン合併に荷主業界が懸念
ユニオン・パシフィックとノーフォーク・サザンの合併構想をめぐり、荷主団体や労働組合が競争力低下やサービス悪化への懸念を表明している。

米国でユニオン・パシフィック(UP)とノーフォーク・サザン(NS)の両鉄道が進める合併構想に対し、荷主業界や労働組合から懸念の声が相次いでいる。競争環境や輸送能力、安全、雇用保護、コスト増、サービス水準の低下といった論点が議論の的となっており、最終判断を下す米陸上交通委員会(STB)の審査にも影響を与えるとみられる。
鉄道労組は1990年代の鉄道再編で雇用が約2割減少した経緯を強く記憶している。当時はUPによるシカゴ・アンド・ノースウェスタン鉄道の吸収やバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道の発足、CSXとNSによるコン・レイル取引などが実施された。
荷主側も反発している。全米産業輸送連盟(NITL)のナンシー・オライディ執行理事は声明で、鉄道業界のさらなる統合に一貫して反対してきたと表明した。過去の合併で鉄道間競争が大幅に減り、会員企業が単一鉄道に依存せざるを得なくなったと指摘。効率化で荷主が恩恵を受けるとの約束に反し、事実上囲い込まれた荷主は信頼性の低い不十分なサービスに対し高い運賃を払い続けていると述べた。
同理事は、UPとNSの統合組織が公共の利益をどう満たすのか、鉄道間競争をどう促進するのか、ゲートウェイアクセスや運賃設定、資産の共同保有に関わる反競争的行為をどう緩和するのか、サービス障害や料金値上げにどう責任を負うのかについて、より多くの情報と透明性を求めた。
投資会社TDカウエンのジェイソン・サイドル氏は、今回の合併を「過去100年で鉄道分野における最も重要な決定」と位置づける。同氏によれば、インターモーダル荷主や自動車荷主には有利に働く一方、他の荷主には不利益となり得るという。